屋上防水工事のやり方は?施工方法・流れを解説
お知らせ 2025年02月20日建物の寿命を延ばし、雨漏りを防ぐために欠かせない屋上防水工事。屋上防水工事には、ウレタン防水、FRP防水、シート防水など様々な施工方法があり、建物の状態や用途によって最適な工法が選ばれます。
この記事では、屋上防水工事のやり方や、工事の流れを解説します。また、DIYでの難易度にも触れますので、屋上防水工事について知りたい方、検討している方はぜひご覧ください。
屋上防水工事のやり方・流れ
屋上防水工事の基本的なやり方・流れを「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」「アスファルトシート防水」に分けて解説します。
ウレタン防水
液状のウレタン樹脂を塗布し、防水膜を形成する工法です。柔軟性が高く、複雑な形状の屋上にも対応できるのが特徴で、継ぎ目のない仕上がりで防水性が高く、メンテナンスもしやすいため、多くの建物で採用されています。
1.事前準備・下地処理
一般的には施工前に清掃を行い、ホコリや異物等を取り除いた後、プライマー(下地との密着性を高める剤)を塗布します。
2.防水層の施工
ウレタン防水材を均一に塗布し、1層目の防水層を形成します。乾燥後、補強布を敷き、さらに2層目を施工することで厚みを確保します。
3.トップコートの塗布
防水層を紫外線や摩耗から保護するために、トップコート(仕上げ材)を塗布します。それにより、防水層の耐久性を高めます。
4.点検・仕上げ
トップコートが乾燥したら、最終確認を行って完了です。
FRP防水
FRP(繊維強化プラスチック)防水は、ガラス繊維を含んだ樹脂を塗布して防水層を形成する工法で、軽量で耐久性が高く、強度に優れているのが特徴です。
1. 事前準備・下地処理
一般的には施工面の清掃を行い、ホコリや異物等を除去した後、プライマーを塗布します。
2. 樹脂の塗布・ガラスマットの敷設
FRP防水専用プライマーをローラーや刷毛で塗布し、プライマーを完全に乾燥させます。その後、ガラスマット(ガラス繊維シート)を施工面に敷きます。そのシートが補強材の役割を果たし、耐久性を向上させます。ポリエステル樹脂をローラーや刷毛で塗り込み、ガラスマットに十分に浸透させます。脱泡ローラーを使い、空気を抜きながらしっかりと密着させます。樹脂が硬化後、表面をサンダーやペーパーで研磨して凹凸を滑らかにします。気泡や穴がある場合は、樹脂やパテで補修します。施工後、しっかりと乾燥させることで、硬化した防水膜が形成されます。
3.仕上げ・点検
トップコートを均一に塗布後、完全に乾燥させて完了です。
シート防水
合成ゴムや塩化ビニールの防水シートを屋上に敷設し、防水層を形成する工法です。 耐久性が高く、施工が比較的容易であるため、多くの屋上やベランダで採用されることが多いです。
1.事前準備・下地処理
一般的に施工前に清掃を行い、ホコリや異物等を除去し、シートと下地の密着性を高めるため、プライマーを塗布します。
2.防水シートの敷設
防水シートを下地に合わせて敷設します。接着工法の場合は専用の接着剤を使用し、機械固定工法では専用の固定金具を用いてシートを固定します。密着工法では、シートを下地にしっかりと貼り付けて施工します。
3.シートの接合・溶着
シート同士の継ぎ目をしっかりと接合することが防水性能を高めるポイントです。熱風溶接機や専用の溶着剤を使用し、シートの継ぎ目を一体化させます。継ぎ目や端部の処理が正しく施工されているか確認します。
4.仕上げ・点検
シートを固定した後、トップコートを塗布し、全体の点検を行い、完了です。
アスファルトシート防水
アスファルトを主成分とするシートを積層し、屋上やベランダの防水層を形成する工法です。防水性が高く、耐久性にも優れているため、大型施設やビルの屋上などでも採用されています。
1.事前準備・下地処理
一般的に施工前に屋上の清掃を行い、ホコリや異物を除去し、プライマーを塗布します。
2.アスファルトシートの敷設
防水シートの裏面をバーナーの熱で溶かしながら下地に密着させる方法や、専用のアスファルトプライマーを用いて、加熱せずにシートを密着させる方法などがあります。シート端部はバーナーで炙りしっかり密着させます。また、粘着シートの場合は、剥離紙を徐々に剥がしながら空気が入らないように圧着させ専用の圧着ローラーを使いしっかり押さえて貼付けます。全体貼付け後、シートの浮きや隙間が無いかを確認します。トーチ工法の場合、バーナーで加熱しすぎないように注意して貼付けます。
3.仕上げ・点検
防水シート貼付け後、露出防水の場合はトップコートを塗布し、最終確認をして完了です。押さえ工法の場合は、保護モルタル・ブロックなどを敷きます。
DIYで屋上防水工事はできる?
屋上防水工事は、通常専門業者に依頼するのが一般的です。 ただし、小規模な補修や簡易的な防水工事であれば、ごくまれにDIYで対応する方がいらっしゃいます。 ウレタン防水は、比較的施工しやすく、DIYでも取り組みやすい防水工法として知られています。
ただし、DIYによる屋上防水工事にはいくつかの注意点・リスクがあります。まず、施工ミスが起こる可能性があり、防水材の塗布にムラができたり、均一な塗布量の塗り重ねができなかったりする場合があります。
さらに、既存の防水層が劣化している場合、適切な下地処理を施さなければ、新しく塗布した防水材が剥がれてしまう恐れがあります。加えて、屋上やベランダでの作業は高所で行うため、転落事故のリスクが伴い、十分な安全対策が不可欠です。
そのため、大規模な屋上防水工事や既存の防水層が大きく劣化している場合には、DIYでは対応が難しく、専門業者に依頼したほうが良いです。DIYによる防水工事は、あくまで一時的な補修や簡単なメンテナンスの範囲で行うのが適切であり、状況を見極めた上で、必要に応じて専門業者に依頼することが大切です。
ウォータータイト工業の屋上防水工事
神奈川県川崎市を拠点に、東京都内(特に大田区・世田谷区)や神奈川県全域で屋上防水工事を手掛ける専門業者です。豊富な実績と長年の経験を活かし、建物の状況やお客様のご予算に合わせた最適な防水工法を提案し、精度の高い施工を実施しています。
当社では、従来の防水工法に加え、コスト削減と機能性向上を兼ね備えた「機械的固定工法」などの最新技術を導入。特に、改質アスファルトシートを用いた防水工事では、既存の防水層を撤去せずに新しいシートを施工することで、工期の短縮やコスト削減を実現しています。環境負荷を抑えたエコ工法にも対応しており、産業廃棄物や有機溶剤の使用を最小限に抑えた持続可能な施工が可能です。
新築・改修を問わず、様々な建物に対応可能ですので、ウォータータイト工業の屋上防水工事にご興味がある方は、ぜひお問い合わせください。
屋上防水工事を検討しているなら
屋上防水工事は、建物の耐久性を維持し、雨漏りを防ぐために欠かせない工事です。今回の記事では、代表的な防水工法であるウレタン防水、FRP防水、シート防水、アスファルトシート防水の基本的なやり方や、流れを解説しました。
各工法にはそれぞれの特徴や適した環境があり、建物の状況に応じた適切な選択が重要です。小規模な補修であれば、DIYでの対応も可能ですが、高所作業の危険性や施工ミスのリスクを考慮し、専門業者への依頼が一般的です。
防水工事を検討する際は、耐久性やコスト、工期を比較し、最適な方法を選びましょう。